
東ローマ帝国(ビザンツ帝国)の遺跡、今も見られるの?って思いますよね。
答えは――めちゃくちゃ見れます!それも、トルコ・ギリシャ・バルカン半島からイタリア、果ては中東まで、いろんな土地に“ビザンツの痕跡”が息づいているんです。
結論からいえば、ビザンツ帝国の遺跡は「首都コンスタンティノープル(現イスタンブール)」を中心に、ギリシャ・トルコ各地、バルカン諸国やイタリア南部、中東にまで広く点在し、教会建築・城壁・モザイク・修道院などを通して今もその文化の記憶を伝えているのです。
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ビザンツの心臓部だった都市――ここはもう、遺跡の宝庫です!
言わずと知れたビザンツ建築の金字塔。ユスティニアヌス1世によって537年に完成した大聖堂で、 今もなお巨大ドームとモザイクが来訪者を圧倒します。現在はモスクですが、内部にはキリストのモザイクやギリシャ語碑文がしっかり残ってます。
コンスタンティノープルを守った三重構造の巨大防壁。10世紀以上、侵略を防ぎ続けた「鉄壁の守り」は、今も一部が街中に残っていて、間近で見られます。
中世後期のビザンツ美術の粋を集めたモザイクとフレスコ画が壁一面に広がる、超・貴重な教会。 イエスの生涯や聖母マリアの物語を描いた装飾は、芸術的にも圧巻です。
ビザンツの“ふるさと”ギリシャにも、美しい遺跡がたくさんあります。
ギリシャ中部にある世界遺産の修道院で、10世紀ビザンツ建築の代表例。
金色に輝くモザイク、精緻な石造り、荘厳な雰囲気…どこを切り取っても「ビザンツってこういう感じだ!」と実感できます。
ギリシャ北部の都市テッサロニキには、ロトンダ、アギオス・ディミトリオス聖堂、アギア・ソフィアなど、
中期ビザンツ期の教会建築がゴロゴロ。内部モザイクも必見です。
ビザンツ帝国の版図が広かった証拠に、トルコのいろんな町にも遺跡が残っています。
奇岩群に刻まれた無数の教会と修道院。その内部には、初期キリスト教~ビザンツ期のフレスコ画が数多く残されています。
まさに“信仰の地下都市”。
コンスタンティノープル滅亡前夜、最後のビザンツ王朝が築いた都市で、王宮、修道院、教会が山腹に点在。
今は廃墟ですが、霧がかかると幻想的な“ビザンツの亡霊”のような景観になります。
帝国の勢力が及んでいた地域にも、忘れられない遺構が残っています。
ビザンツ様式の修道院やフレスコ画が豊富に残り、東方正教とビザンツ文化の融合が見られます。
とくにソポチャニ修道院の聖母戴冠は、壁画史上でも名作のひとつ。
正教信仰とビザンツ文化の融合地として知られ、鮮やかな壁画と円柱廊が印象的。
ビザンツの影響が、民族ごとの表現に溶け込んだ貴重な例です。
意外かもしれませんが、ここにも“ビザンツ文化圏”が広がってました。
東ゴート王国時代に支配下にあったラヴェンナでは、ビザンツ直輸入のモザイク装飾が多く見られます。
聖ヴィターレ聖堂のユスティニアヌス皇帝とテオドラ皇后の肖像モザイクは教科書でもおなじみ!
ノルマン王朝期ですが、内部装飾は完全にビザンツ+イスラーム+ロマネスクの融合。
黄金に輝くモザイクは、ビザンツ美術の伝統を忠実に継承しています。
ビザンツ帝国の遺跡は、今も世界各地に散らばっていて、その壮麗なモザイクやドーム建築が“千年帝国”の記憶を静かに語り続けています。
このように、都市も山岳も地下も、あらゆる場所に刻まれたその痕跡をたどれば、ビザンツの精神が今もどこかに生きていると感じられるのです。